tamamurasaki’s diary

不登校、読書、福祉、思ったことなどを書いていきます。

不登校時代に出会った不良

 私が不登校になり、10代前半のしばらく数年は逃避したいという気持ちが強く、ゲームに没頭していた。とにかく他のことを考えないようにしていた。余計なことを考えていると、将来、自分は中卒の引きこもりになるのではないかと考えてばかりいた。結局、大学にも入学できず、家を追い出されて、底辺を這いずるような生活が続くのではと不安な未来ばかりが頭から離れなかった。そのたびに、もっと苦しい未来が現実にならないうちに、早く死にたい。楽になりたいと考えてばかりいた。毎日、自殺の方法ばかり考えていた。それが怖くてゲームばかりしていた。まったく、今考えると情けない話である。

 

 レールから外れた不安定な未来が怖かった。そのため、ゲームの世界に自分を求め、少しでも強い自分というのを作り上げたかった。
 そんな時、暇をしている私は父親の古本屋の仕事を手伝うようになった。人間不信とか人と関わりたくないという気持ちは強かったが、孤独感のほうが強くなんとか店番をやっていた。来るお客は不良少年・少女がよく来ていた。警察を殴って捕まったやつ。万引き犯として補導されるやつ。シンナーやっているやつ。母親の不倫やら、宗教やら、パチンコとかで家庭が壊れているやつ。中学にも行かないでコンビニでバイトをしているやつ。みんなそれぞれに苦しい事情の中でなんとか生きていた。
 確かに、彼らは夢とか希望とかそんなものは持ち合わせない。だが、それぞれの与えられた環境の中で、苦しいながらも生きていた。底辺の人間はタフだったし、五体満足な自分の環境は全然マシに思えた。


 そういった状況と比較すると、自分は何もやっていない。やれることはいっぱいある。彼らのように中卒で生活しなければならなくなるような状態にはない。まだ恵まれている。両親も応援してくれている。私は自分の状況を変えられる環境にあるし、その能力があると信じて、恐怖心と戦っていた。
 確かに、勉強はいくらやっても成績が上がらなかったし、なかなか満足な結果は得られなかった。そのたびに、漠然と恐怖心がまして、逃避したい感情は膨らんできた。だが、まだやっていないことは山程あった。それでも、繰り返すことを徹底し続けた。単調な作業で、ほんとに意味があるのかわからなかった。日々、問題集を音読するとか、ラジオで英会話を毎日聞く。単語帳を毎日覚えて、例文を音読し続ける。そんな生活を数年間続けた。
 それでも、成果が上がらないこともあり、私の危機感は増大した。そんな時、父親が骨折し倒れ、不安感がピークに達した。このままでは来年はチャンスはもうない。そう思ったら、焼けばちになり、まあ、落ちたら落ちたでいいか。働きながらでもいいからのんびり勉強続けようと思い。
 それまでのやり方をあえて変えず、範囲を広げず、テキストを読む、問題をとく。という一連の作業をもう一度いちからやり直していた。徹底した基礎固め、徹底した復習。それだけしかやらなかった。そして、なんとか一浪し、H大学に入学できた。

 

 思い返すと、あの時出会った不良グループは私の人生の反面教師として、また、良き手本として原点になっているのだと思う。世の中どうしようもないことが多くあり、絶望的だろうけど、誰も彼もがそんな中で生きている。他人に迷惑をかける人間もいるかもしれないが、彼らも弱者であり続け、それでも生きている。そんな彼らは私のような愚か者にしぶとく生きつづけることの大切さを教えてくれた。

 

まとめるとこんな感じだろう。

人間はしぶとくていい、迷惑かけてもいい、バカやってもいい、ただ生きてればいい。