『紙の月』
最近、やっと時間ができてDVDを見た。
今回見たのは『紙の月』だ。主人公の梅澤梨花を宮沢りえ、不倫相手の大学生を池松壮亮が演じている。詳細なあらすじは省略するが、銀行に務めている主婦の梅澤梨花が銀行のお金を横領し、破綻していく人間の姿を描いている。横領の動機は大学生の平林光太に貢ぐためだった。
梅澤梨花は夫とのすれ違い生活に辛さを抱えて生活しており、その姿はドラマ全体で表現されている。銀行のドライな空気が、生活の中にもしみだしていて、真面目な生活にストレスを感じている姿がよく表現されている。
その中で、若い大学生(平林光太)との自由で自堕落な生活に喜びを見出しつつも、さらなる欲望を求めて転落していく。しかし、二人の関係はお金やきらびやかな生活の中でつながれたものでしかない。
特に、梨花が光太にお金を貸すシーンでの光太のセリフが興味深い。
「(お金)受け取ったら、たぶん、なんか変わっちゃうよ。」
この後、お金を貢ぐ女となっていく姿は痛々しい。